洗濯表示「P・F・W」は、基本的には専門のクリーニング店で取り扱う必要がありますが、本当に、絶対に、家で洗うことは出来ないのでしょうか?
結論から言うと、「条件付きで可能」です。
この記事では、これらの衣類は「どのような条件で」「どうやったら」家で洗えるのか、を解説していきます。
洗濯表示「P」「F」「W」とは何か?
そもそも、「P・F・W」の表示は何を表しているのでしょうか?
これらは、衣類の洗濯やクリーニング方法に関する重要な情報を提供しています。
記号の意味が理解できれば、衣類を適切にケアし、長持ちさせることが可能になります。
「P」マークの意味:パーチロロエチレン及び石油系溶剤を使用したドライクリーニングに適していることを示しています。
パーチロロエチレンは強力な溶剤で、油性の汚れを効果的に取り除くことができます。
多くのドレスやデリケートな服がこのマークを持っており、専門のクリーニング店での取り扱いが必要です。
「F」マークの意味: 石油系溶剤を用いたドライクリーニングが可能であることを指します。
石油系溶剤は比較的穏やかな洗浄力があり、繊細な衣類や特殊な加工が施された服に適しています。
この処理もまたプロフェッショナルな設備と技術を要するため、家庭で行うことは推奨されません。
「W」マークの意味: ウェットクリーニングが可能であることを示しています。
ウェットクリーニングとは、水を使用して衣類を洗うプロのクリーニング技術です。
通常の洗濯機洗いとは異なり、特定の洗剤や技術を用いて、水溶性の汚れを効果的に除去します。
この方法では、専用の水溶性洗剤と特別な洗浄技術を用いて、水洗いが可能な衣類を丁寧に処理します。
家庭での洗濯は可能か?
「P」と「F」、そして「W」マークがついている衣類は基本的にプロのクリーニングが推奨されていますが、だからと言ってすべてが家庭で洗えないわけではありません。
洗濯表示を正しく読み解くことで、どの衣類が家庭で洗濯可能かを見分けることができます。
家庭で洗える服の見分け方
家庭で洗濯可能かどうかは、主に「水洗い可否」のマークで判断します。
桶のマークがあれば、その衣類は水洗いが可能です。
数字が記されていれば、その温度以下で洗濯機を使用することができます。
また、桶に手が入っているマークは手洗いを指示する表示です。
ちなみに、桶のマークに×(バツ)がついている表示のものは家庭では洗濯できません。
諦めてクリーニング店へ持って行きましょう。
デリケートな衣類の取り扱い
アンダーラインが引かれているマークは、デリケートな素材を示しており、特に優しい洗濯が必要です。
アンダーラインが1本の場合は「弱」、二本の場合は「弱弱」といった感じです。
手洗い推奨の場合は、その指示に従い慎重に洗濯することが重要です。
家庭で「F・P・W」マークを洗う方法
家庭でこれらの衣類を洗濯する際は、衣類の洗濯表示を正確に理解し、適切な手順を踏むことが重要です。
ここでは、家庭で実行可能なそれぞれの基本的なステップを紹介します。
「P・F」マーク(ドライクリーニング)の場合
「P・F」マークと桶マークが両方表示されている衣類は、「(クリーニング店の)ドライクリーニングで洗えますよ。」でも、「温度や強度やその他の表示を守って洗うなら、自宅で洗濯機、もしくは手洗いで洗っても良いですよ。」という意味になります。
どちらか選ぶことができますが、「型崩れしたくない大切な服」など、絶対失敗したくないものであれば、ドライクリーニングに出した方が無難と言えるかもしれません。
洗い方
ドライクリーニングの表示がある衣類は、多くの場合、デリケートな素材で作られており、型崩れや風合いの劣化が起きやすいため、特別な注意が必要です。
たとえ洗濯機で洗ってよいという表示があったとしても、衣類を保護するためには手洗いで洗濯する方が賢明です。
手洗いを行う際は、中性洗剤を溶かした水に衣類を浸け置きし、汚れを浮かせてから、衣類を押し洗いすることで繊維を傷めることなく効果的に汚れを落とすことができます。
この方法により、衣類を長持ちさせることができるため、デリケートな衣類のケアには特に推奨されます。
洗濯機を使用する場合
洗濯機OK表示があり、手洗いが面倒な時は、洗濯機のドライコースを利用して簡単に洗濯しましょう。
洗濯機のドライコースは、各メーカーによって「おうちクリーニング」「ソフトコース」「手洗い」などと呼ばれることがあります。
このモードは、洗濯槽の動きを抑えた、浸け置きや手洗いに近いやさしい洗い方を提供し、水洗い可能な衣類に適しています。
洗剤と柔軟剤を適切に使用し、洗濯ネットに衣類を入れることで、衣類を保護しながら効果的に洗うことができます。
ただし、このコースはドライクリーニングを代行するものではないため、水洗いできない衣類には使用しないでください。
「W」マーク(ウェットクリーニング)の場合
「W」マークと桶のマークが表示されている衣類は、「(クリーニング店での)ウェットクリーニングできます。」でも「温度や強度やその他の表示を守って洗うなら、自宅で洗濯機、もしくは手洗いで洗っても良いですよ。」という意味になります。
ウェットクリーニングは、装飾が施された服やデリケートな繊維で作られた衣類で、通常の洗濯方法では破損の危険性がある場合に適しています。
したがって、そういった衣類を自宅で洗濯する場合は、その点にも配慮しながら洗濯を行わなくてはなりません。
不安のある方は、クリーニング店を利用することをお勧めします。
手洗いでのウェットクリーニング
温度調整されたぬるま湯を用意し、適量の中性洗剤を溶かします。
その後、衣類を水にゆっくりと浸け、柔らかく手で押し洗いを行います。
この時、強くこすったり、引っ張ったりすると繊維が損傷する恐れがあるので注意が必要です。
汚れが浮いたら、清潔な水で何度もすすぎを行います。
洗濯後の脱水は、衣類を傷めないように優しく水を押し出すようにして行い、過度な力を加えないように心掛けます。
洗濯機を使用したウェットクリーニング
デリケートな衣類のウェットクリーニングには、洗濯機のデリケート衣類用コースが適しています。
このコースは、低温で衣類に優しい洗浄を行い、繊維を保護します。
適量の中性洗剤を使用し、衣類は必ず洗濯ネットに入れて洗濯機にセットし、繊維の損傷を防ぐためにゆっくりと洗います。洗剤は、おしゃれ着用洗剤を使うと良いでしょう。
クリーニングに出すべき衣類の見分け方
最後に、家庭での洗濯が不向きな衣類を見極め、適切にクリーニング店に出すことも衣類管理の一部です。
以下にその判断基準を示します。
クリーニング推奨のマークを確認
「F・P・W」のみのマークがついている場合、それらはクリーニングを推奨しています。
特に洗濯禁止のマークがある場合は、クリーニング店に依頼することが適切です。
高価な衣類やデリケートな素材
高級ブランドの衣類や特にデリケートな素材は、プロの手によるクリーニングを推奨します。
これにより、最適な状態で衣類を長持ちさせることが可能になります。
色落ちやダメージが懸念される場合
色が濃い衣類やプリント物、あるいは、繊細な装飾が施された服などは、色落ちや破損のリスクが高いため、専門店に依頼することが賢明です。
まとめ
洗濯表示「P」「F」「W」は、一般に専門のクリーニング技術を要求されるものですが、家庭での洗濯が完全に不可能であるわけではありません。
これらのマークがついた衣類を自宅で洗濯する際には、特定の条件と注意が必要です。
衣類の洗濯表示を正しく理解し、適切な洗い方を選ぶことで、デリケートな素材も安全にケアすることが可能です。
一方で、高価な衣類や色落ちのリスクが高いものは、専門のクリーニングサービスを利用することが推奨されます。
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